リリアリー、今、俺の住んでいた現代の人類の技術革新が目覚ましいんだ。将来、人間の体型はどうなっていると思う?
うーん。多分、仕事がなくなってて、食べ物がとっても美味しくなると思うから、太っているんじゃないか?
それが、俺の予想だと違うんだ。まず、技術革新でVRがすごくなる。
ぶいあーる?
簡単に説明すると、現実世界とは別の、仮想世界にゴーグルをつけて、入り込むことができる技術だ。このゴーグルをつければ、仮想の世界に文字通り入ることができる。没入感がすごいぞ。
そんなすごい技術があるんだな!
そう。そしてこの技術を使って、仮想世界でスポーツができる。現実世界ではたくさんの道具や空間が必要だが、VRだと最小限でよい!手軽にスポーツができる!だから、VRを使ったスポーツが大流行し、未来ではムキムキのスポーツマンが多くなるだろう。
なんだそれは!夢がある話だな!パラダイスじゃないか!?
リリアリーは筋肉が好きだからな。発展途中の今のVRでも十分面白いし、楽しみながらダイエットになる。もしかしたら近い将来、VRを使ってムキムキになったボディービルダーも出てくるかもしれないな。
ぼでぃびるだー?
ボディビルダーは、俺のいた世界の職業で、美しい筋肉をつけることが仕事だ。リリアリーにはぴったりの職業かもな!
何?そんな素敵な職業があるのか!すごいな!ルドウィンがいた世界は!!
良い話を聞いた!私もその「ぶいあーる」をやってみたいぞ!ルドウィンのいた世界の技術を体験してみたい!ぜひ、「ぶいあーる」を貸してくれ!お願いだ!!
ああ。いいよ。ただ、くれぐれも周りを確認しながらVRをやってくれよ!?リリアリーの桁外れの力で全力でプレイされたら、怪我人が出る恐れがあるぞ!
大丈夫だ!全力でプレイしないよう心がけよう。
それでも怖いな……。この話はリリアリーにはすべきではなかったかもしれないな……。
頼む!「ぶいあーる」を貸してくれ!安全に最大限配慮するから!!
仕方ない。VRを貸そう。
数分後……。
これが未来なのか!!すごい!仮想世界が目の前に広がっている!!
しかし、このコントローラーはとても軽くて、あまり運動にならないぞ?
そうだ!コントローラーに重りをつけよう!これで少しは運動になるだろう!!※危険ですので真似しないでください。
しかし、すごいな!ん?解像度という設定があるな……少しいじってみるか……。
すごい!!仮想世界がすごくリアルになった!!
……しかし、解像度を上げてから、あまりにリアルすぎて、現実世界と仮想世界の境界が曖昧になってきたな……。
数分後……。
はて?ここは、現実世界か、仮想世界か、どっちだったか?
まあ、おそらく、ものすごくリアルだから、こっちが現実だろう!
……もうそろそろ、お腹が空いて、ご飯食べたいから、みんなのところに戻りたいな。だけど、みんないないな……。まずはルドウィン殿を探そうか。周りに人はいないし、思いっきり体を動かして、ルドウィン殿を探すとしよう。
その頃、ルドウィンは別の仕事に取り掛かるために街にいた。
……すると、街の新聞売りが近くで号外の新聞を売っていたのが見えた。
号外だよ!昼頃、見慣れない機械をつけてバーベルのようなものを持っている不審人物が目撃されたそうだ!それがとんでもなく危険らしくて、王都は軍を派遣するらしいよ!
これ、ニュースになっているのリリアリーじゃないか!?見かけないと思ったら……!
ルドウィンはリリアリーを捜索した。
すると、いた。
リリアリーらしき人影だ。
おい!リリアリー、なんで外にいるんだ!戻ってこい!
みんな、どこだー?ルドウィン殿?今、少し、ルドウィン殿の声が聞こえた気がするが……気のせいか。
おーい!みんなー!!ルドウィン殿ーー!!どこだーー?
リリアリーはそう言いながら、猛スピードで駆け抜けていった。ルドウィンには到底追いつかないスピードだった。
おいおい、どうすんだ!リリアリーには俺の声が聞こえていないぞ!どうやってあの暴走しているリリアリーからVRを引っこ抜けば良いんだ……!!
※くれぐれもVRを使用する際は安全に気をつけて使用してください。
余談ですが、この後、王都の軍が来る前に、ルドウィン王国に総動員をかけ、暴走するリリアリーを抑えた……とかなんとか。
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