ここでは漫画版君たちはどう生きるかの考察と感想を述べたいと思います。
なるべくネタバレは控えていますので、できればこの本を読んでいただいて、この本の良さを知ってほしいです。
レミゼラブルと君たちはどう生きるか
この本を読んだ時、私はレ・ミゼラブルを思い出しました。
>>【ネタバレなし】映画 レ・ミゼラブル 感想・考察 (準備中)
両方の作品とも、人間が罪を犯した時のその辛さ、そしてそれを辛いと思うことの尊さを説いていると思います。
また、人は必ず間違いを犯すもの。
重要なのは、その間違いを起こした後、どうするか。
そういった社会で生活していく上で一番大切なことを教えてくれます。
この本は人が間違った方向に行かないために、道標となる指針のような本だと思います。
この本を広めていき、たくさんの人がこの本を読んで、さまざまな知識を持った時、おそらく、コペル君(主人公)の言う「人間分子」は素晴らしい方向へ向かっていくのではないでしょうか?
この本は知識の入り口
そして、この本は本の入り口にもなります。
本はさまざまな知識を集めた素晴らしい情報コンテンツです。
それが低価格で入手することができ、今は手軽に電子書籍で見ることができます。
さらに、今は図書館に行けば、誰でも無料でその本を読むことができます。
しかし、なかなか本を読むのはまとまった時間と労力を必要とし、固い意志が必要です。
この本を読むと、そんな素晴らしい本の敷居を下げ、読んでみたい、知識をつけてみたいと思うことができます。
現代と知識をつける意味
また、現代では、ネットで本などでつけた、自分の知識や考えを発信、共有することもできます。
今はそれらが無料で手軽に行える時代です。
つまり、今はこの本が書かれた1937年とは比べられないほど技術が発展し、情報が民主化され、多様化の時代になっています。
しかし、その反面、情報の多さ、多様化に伴い、人々が情報の渦に呑まれ、人生の指針を迷いやすくなっているようにも思えます。
そんな時に、この本などの、素晴らしい本を読むと、考えがまとまります。
そして新しい気づきや発見もたくさんすることになるでしょう。
本などを読み、つけた知識は、人を豊かにするだけでなく、自分の大切な人を守ることにもつながります。
「知識をつけると世界を見る解像度が上がる」とはよく言ったもので、知識をつけると、ありとあらゆるものに意味があることに気づきます。
だから、突拍子も無い情報や論理が飛躍した情報にも騙されづらくなります。
現代の社会の構造とこの本を読む意味
人は自分を中心に物事を考えがちです。
しかし、コペル君(主人公)の言った「人間分子」の考えは、その常識にとらわれない、考えです。
自分を大きなものを形成する分子の1つと捉えることは、深い意味があります。
現在の社会はさまざまな人との関わりがあり、数えきれないほどの助け合いで成り立っています。
それらを繋いでいるのがお金であり、お金のやり取りをすることで自然な助け合いを促進し、今の資本主義社会の形が形成されています。
さらに、そのお金や売買、助け合いの形も実に多様化しており、もはや1937年と現在とでは比べ物にならないほど複雑化しており、そのスピードは増して行っています。
さらには私の予想だと、未来では仮想世界の市場がますます増加して、NFTや仮想通貨などの最新技術も相まって、人々の助け合いと経済活動は、もはや全体像を把握するのが困難になる程、複雑化していくことでしょう。
VRやAI技術、ロボット技術も発達し、AIやロボットが消費者となった場合、もはや今の概念が丸ごと覆ることが起きるかもしれません。
仮想世界が普通になった現代の考え方とマトリックスの感想
そんな激動の時代に生きる我々が、昔の知識に触れ、ゆっくりと考える時間を持つのは、大変意義深いものだと思います。
昔の価値観と今の価値観は確かに違います。しかし、大切なことは共通しています。
その共通している部分こそが、大切なのだと思います。
最後の問いと答え
この本では私たちはどう生きるかと問いました。タイトルでも問いています。
私は現段階ではこう答えます。
水のように生きる。
>>【ネタバレなし】人生に上も下もありません 感想・考察 (準備中)
私は勉強して知識をつけてありとあらゆる本に触れて、自分の考えを変形させ、時代の流れに逆らわず適応してまるで水のように生きていきたいです。
そうして、どんどん石にぶつかり、すり抜けて不純物を取り除き、飲んでくれた人にうまいと感じてくれたら、私はそれで満足です。
時には、蒸発して雲になって空を漂ったり、氷になって踏まれたり、そんなこともあるでしょうが、そんな時も本を読んで、前向きに生きていきたいものです。
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